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年明けスペシャル「譲れぬ決意とぶつかる想い」

by
孝二
孝二
 
パーキングの一角にその車と持ち主はいた。

如月「今日はかなで姉様の命日…お姉様、このバトルをお姉様に捧げます…必ずあの女をお姉様の元へ連れて行きますね。
私はこのバトルで命を落とそうともなにも怖い事なんて無いんです。だって向こうにはお姉様がいるから!ふふふ」

そこに一台のMR2が止まる。


その車から降りたのはエモーショナルスパークのナビゲータの筈の暁月だった。
暁月「如月…」
如月「クス、どうして私が今日を指定してきたか、貴女には分かりますよねぇ?クスクス」
暁月「ええ。勿論よ…忘れるはずないじゃ無い」
如月「このクールッぷり相変わらず気に入りませんねぇ?まあいいです!だってそのクールな顔が後数分で恐怖に満ちた顔に変わるのですから…ふふふ
さて始めましょうか、楽しい楽しいデスドライブを…クスクス」
こうして互いに譲れぬ想いを持つ2人のバトルが幕を開ける。


その様子を見ていた1人の男がいた。彼はどこかに電話を掛けると
???「CEO今死神ロードが動きました。どうやらバトルをしてるようです。相手のMR2の正体はすみませんが…」
???「オーケー、それくらいで十分だよ。ありがとう。それじゃ行ってくる!」
???「まもなくそちらに合流する筈です。リチャードCEO good luck」
リチャードと呼ばれたドライバーは自分の愛機のGTfourwを二台の車の後ろにつけた。
リチャード「ようやく見つけたよ!死神ロード!悪いけど君の悪行もここまでだ!
それにしても前のMR2死神ロード相手に物怖じしないなんて一体何者なんだい?」


如月「やはりこの車はこのコースにマッチするだけあって良い突っ込み具合と加速具合ですねぇ。そしてそれは後半に行けば行く程謙虚な物になる…
マッチ具合が良すぎるために先にこちらのブレーキが垂れてくるかもですが…ふふ、それはそれで好都合です…止まらなければ不可抗力としてぶつけるだけの事…
さぁ、暁月楽しいデスゲームをしましょう!貴女が最後まで逃げ切れれば貴女の勝ち、逃がさないですがね!あははは!」
暁月「……」
如月(それにしても暁月のこの態度気に入りませんね?本当に今日がなんの日か解ってるんですか?こんなコンディションで走るなんて…寝惚けているなら
キツイ目覚ましで目覚めさせてあげましょうか?クスクス)


如月「最もこの一撃で永遠に眠ってしまうかもですが。クス」
そういうとGの抜けたMR2に強くプッシュする如月のロード
ゴン
暁月「つう!」
崩れるMR2のバランス!いや、わざとバランスを崩したのだ!


リチャード(まさかあの状態から立て直すとは!どんなマジックを使ったと言うんだい?)
如月(なんて女なの!?ぶつけた瞬間にわざとGを逃して衝撃を吸収したですって?…けど!)
如月「それくらいやってもらわなきゃこっちとしても追い込みがいが無いです…トコトンあがいてくださいねぇ。クスクス
じゃなきゃ殺しがいがありませんから!ふふふ」
暁月(さすがハイレベルなドライバーを世界に出してる赤城の峠人なだけあって良い仕上がりね、アカネ!
これなら行けるわ…心置き無く、ギリギリの領域へ‼︎)


如月(私が許せないのはお前がまだのうのうと生きている事です!どうせお姉様の事などとうの昔に忘れてしまったのでしょうね!あれからまだ5年しか経っていないと言うのに…本当薄情な人ですね)
暁月(違う!私は今日まで一度もかなでの事を忘れた事なんて片時もなかった!如月、貴女は逃げてるだけよ!彼女が死んでしまった現実から)
如月(黙れ…黙れダマレェ‼︎お姉様はお前のせいで!だから決めたんだ…貴女をかなで姉様の待つ天国に連れて行くってね!そして天国でお姉様に謝らせるって!
それがお姉様に誓った私の使命だから!)
暁月(なら私もかなでに誓って貴女を止めて見せる!それが私の使命だ!私は逃げも隠れもしない…どこからでもかかって来い!如月‼︎)
ゴン!
その意思に呼応するかの様に高速ヘアピンでMR2に猛プッシュをかける死神ロード



如月(!?馬鹿な!?)
リチャード「不発?死神ロードの高速プレスが不発!?」
リチャード(そうか…そういうことか!速いんだ。MR2の突っ込みスピードが死神ロードの突っ込みスピードよりも速いんだ!
絶対に破れないと思われていた死神ロード渾身の高速プレスが破られた!)
如月(何故です⁉︎何故暁月を撃ち落せないの⁉︎))
回想にて
かなで「今日から新しく私達の仲間になる暁月です!みんな仲良くしてね♪」
暁月「えと、今日から新しく車人として活動することになった暁月です!よろしくお願いします!」
如月「むぅ…」
かなで「そんなにかしこまらなくても良いよ♪私の事も好きに呼んでもOKだからさ!貴女らしく気軽にね♪」
暁月「そ、そう?じゃあよろしくねかなでにえと…」
かなで「如月!そんなとこに隠れてないでちゃんと挨拶しなさい!」
如月「如月…」
そしてまた隠れる如月
かなで「そう、そんな態度取るんだぁ。じゃあ如月の秘密を暁月にぃ♪」
それに反応し即座に出てくる如月
暁月「ふふ。よろしくね!如月。」
如月「むぅ…」
かなで「さてと!貴女がこれから車人として活動するにあたって指導役を付けようと思います!
指導役はそうね…」
その時ふと如月と目が合う
かなで「如月。お願いできるかしら?」
如月「え〜なんでですかぁ?なんで私がそんなめんどくさい事…」
かなで「そう…しょうがないわね。そう言えば如月の秘蔵ポエム集私が管理してるんだっけ?
そのポエム集を車の館の壁に貼り付けて、そうなると人が足りないわね?
手の空いてる…」
如月「やりますよっ!やれば良いんでしょ!」
かなで「やれば良い?( ^∀^)」
如月「ヤラセテクダサイ(°▽°)」
暁月(かなでっておとなしそうな印象あるけど怒らせると怖いのかしら…気をつけよう…(・_・;」
     再び現在
暁月(あの頃は本当に楽しかったわね。三人いつも一緒で永遠にこの時間が続く事を私達の誰もが信じて疑わなかった)
   再び回想
かなで「今日は2人に大切なお話があります」
如月「どうしたんですか?かしこまって」
暁月「そうよ?かなでらしくないわよ?」
かなで「あはは、そう言うの柄じゃなくて…私は車人として車の館の館長やらせて貰ってるわけだけど…」
如月「それがどうしたんですか?今更すぎやしません?」
かなでは一つ深呼吸をすると自分の出自を告白し始める
かなで「実は私純粋な峠人なの。」
暁月「それがどうしたの?私だって元峠人よ?峠人だからって車人をまとめちゃいけないって事は無いんじゃないかしら」
如月「そうですよ!不本意だけど暁月の言う通りだと思います!」
かなで「暁月が車人になれたのは貴女の中に半分車人の血が流れているから。
けど……私の中には峠人の血しか流れていない!」
如月「お姉様…」
かなで「私もせめて暁月と同じ半峠人、もしくは車人だったら良かったのに…」
如月(お姉様のこんな悲しい笑顔初めて見た…)
如月[それから時は流れ、あの事件は起きた。お姉様が遺書を残しとある峠の岬から飛び降り自殺をした。
遺書には「今度生まれ変わることが出来たらちゃんと車人になってくるね」そう書かれていた。
私はその時確信した。あいつが…暁月がここに来たから!お姉様に出会ったりなんかしたから!!]
如月(許さない…あの女だけは絶対に許さない‼︎絶対に‼︎)
     再び現在
リチャードは死神ロードの行動に目を疑った。


リチャード(突き飛ばすのでもぶつけるのでもなくじわじわと退避所に向けて車を押し込んでゆく!なんてえげつないボディープレス‼︎
かわせるかわせないの次元じゃない!ふざけるのも大概にしろ!死神ロード!退避所の更に向こうは谷底にダイブだぞ!)
突如暁月のMR2がブレーキを踏み二台のバランスが崩れる!
リチャード(これほどに殺伐とした果たし合いのようなバトルの中でもハイレベルな応酬が宝石のように煌めく瞬間を何度も見せ付けられる!
惜しいよ…死神ロード、これほどのハイスキルを持ちながらなぜ自分の大切な愛機を凶器へと変える?)
     再び回想
かなで「暁月にとって車はどんな存在なの?」
     再び現在
暁月(私にとっての車か…)
その時不意に死神ロードのブレーキランプが点灯する

リチャード(なんだ?まるでブレーキの感触を確かめているかのような…まさかブレーキトラブル!?まずい…下りでのブレーキトラブルは致命傷だ!)
如月(タイヤはとっくに終わっている…けどそれ以上にブレーキはもっと駄目ですね。誤算でしたね…まさかこのゲームがここまで長引くなんて!
峠のコースはこの車にマッチし過ぎるせいか首都高のコースよりも余計にタイヤとブレーキに負担をかける!)
その様子は暁月も気付いていた
暁月(如月の様子がおかしい?まさかタイヤかブレーキ!?
まずい事になったわね…)

リチャード(これほどまでに減速してインをついてるはずなのにラインの膨らみを止められないとは…どうして君はそこまでしてなお、アクセルを踏み続ける?
死神ロード…君を突き動かしているのは一体なんなんだい?
とにかく分かっていることはもう死神ロードに戦えるだけの力は残ってないと言うことだ…
MR2のクルー、今なら彼女から逃げることが出来る!早く安全な場所まで逃げるんだ!)
その時如月とリチャードは信じられない光景を目の当たりにする
緩やかなコーナーが終わり殆どストレートしか無いセクションで突如暁月のMR2が減速を始めたのだ!


MR2のリアに接触する死神ロード
如月(暁月⁉︎一体何を⁉︎いくら同じ重さの車でもスピードが乗っている状態のロスタを止めるなんて無茶振りも良いとこです!)
暁月(しまった!私の車と如月の車の軸がズレた!上手く立ち上がれない!ロスタを止められない!)
その時、リチャードの車が暁月の横に並ぶ!
暁月(⁉︎)
リチャード(気に入ったよ!君のその揺るぎないスピリットに乾杯!)
如月(あなた達!一体何を⁉︎))


暁月&リチャード「止まれぇぇぇ‼︎‼︎」
その時2人の車の中に不意にいつもかなでが口ずさんでいた歌が流れてきた



そして止まる三台の車
暁月とリチャードがハイタッチを交わし如月の元へと歩み寄る。
ロスタの中には涙を流す如月の姿があった。
如月「車が止まる瞬間、お姉様がいつも歌っていた曲が流れて来たんです。暁月、
貴女には聞こえませんでしたか?」
暁月「ええ、しっかりと聞こえたわ。けどそれって当然の事だと思うの。」
如月「どうしてですか?」
暁月「だって今日はかなでの命日なんですもの。如月を止めてくれたのだってきっとかなでよ。」
暁月のこのシレッとした様子に呆れながら如月は一言
如月「暁月、貴女はアホですか?アホなんですか?私は明確な殺意を持って貴女の後ろを走っていたんですよ?
もし一歩間違っていれば貴女は今頃殺人事件の被害者になっていたところなんですよ?それを他人事のようにシレッと…私が怖くないんですか?」
暁月「何を言いたいのかさっぱりね。私は貴女とバトルをしただけ…それ以上でもそれ以下でもないわ。
それに貴女がもし本気で私を殺そうとするならこんな回りくどい事をせずとも簡単に殺せたはずよ?
だけど貴女はそれをしなかった。それは貴女の中で決めたルールに従って動いていたから。だから私は貴女とバトルをした。
ただそれだけの事よ」
如月「暁月…」
暁月「私にとっての最後のバトル相手が貴女でよかったと思ってるの。
私に車人としての生きがいと楽しさを教えてくれたのは貴女よ。如月…私は貴女の前で最高の走りができた。ただそれだけで満足なの」
如月「私も、もう終わりにしましょう。いくら考えても自分の納得がいく答えが出なかった。それどころかネガティブな感情がどんどん私の中を支配していって気付いた時にはもう自分で歯止めが効かなくなっていきました。
けれど今日貴女と共に走って自分の中に溜まったどす黒い感情を全て吐き出したら、なんか逆にスッキリしました!
約束を破ろうと思えば出来たのにそれをせずに貴女は私との約束を守ってくれた。
私にとってはそれだけで十分なんです。暁月、私の方こそありがとうございます」



<椿ラインブラックエンジェル本部にて>
俊太郎「あいつがロスタを手放したらしいな。何がきっかけであいつがロスタを手放したのかは知らないが
車の館にも復帰依頼を出してるようだ。あいつの考えはさっぱりわからないけどな…ただ一つ言えることは
もう死神ロードはコースには現れないって事だけだ。」
俊太郎(いつまでも車人を助手席に乗せて走りやがって…キモ過ぎんだよ…それに何がマスターだ!
ブラックエンジェルが…俺が止めて見せるぜ‼︎
エモーショナルスパークチームリーダーおぎはら‼︎)
雄二(やれやれ…完全にナーバスになっちゃってるよ。大丈夫かなぁうちのリーダー)
更新日時:2019/01/10 09:53
(作成日時:2019/01/09 17:45)
コメント( 9 )
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聖龍@青薔薇と白薔薇
聖龍@青薔薇と白薔薇
1月9日 20時2分

でしょうね←pixivで何度か消えて再起不能なりかけてる

孝二
孝二
1月9日 20時14分

聖龍さん
お疲れ様ですw

聖龍@青薔薇と白薔薇
聖龍@青薔薇と白薔薇
1月9日 20時16分

あざすw

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